2022年夏東地中海クルーズ6日目④
ちょっと早めの夏休み、本篇「東地中海クルーズ」レポ続きです。
今回の旅行は、歴史的遺跡などをいろいろ回ります。
古代遺跡は破損が進んでいるため、予備知識がないと楽しめません。
私は前もって、塩野七生さんの歴史小説やガイドブック、解説本などを読んでおきました。
また、現地では、帰国後ゆっくり読めるようにそれぞれの遺跡の解説本も買いました。
今回のレポは自分で見たところを、こうした書籍などを参考に、自分の旅行記録としてまとめています。
ちょっとマニアックな内容になるかもしれません。
ご興味がない方はスルーしてください。
クルーズ社手配のリンドス往復バスでロードス・シティの港に戻ってきました。
港は旧市街すぐ横にあり、歩いて旧市街にも行けて便利です。
港からはクルーズ船と旧市街の城壁が見えます。
クルーズ船と世界遺産登録の建造物が一緒にカメラに収まるというのも珍しいですよね。

お昼ご飯は既にリンドスで済ませています。
まだ船に戻る時間まで3時間ぐらいあります。
今日は頑張って、休憩なしで、ロードスの旧市街観光にそのまま出動しましょう。
携帯の地図を頼りに、目的地を目指します。
この城壁はオスマン・トルコがロードス島を攻めてきたとき、ヨハネ騎士団が攻防戦に実際に使ったものです。
若き騎士たちが数か月に及ぶ兵糧攻めの間、この城壁の上に立って市内を守ったそうです。
そんな若き騎士たちの姿が目に浮かびそうです。

目指したのはロードス考古学博物館。
建物はすぐにわかったのですが、入り口がわからず、少しぐるぐる回りました・・・
入場料を払ってまずは中庭に入ります。

この建物はヨハネ騎士団が病院として使っていた建物。
今はドデカネス諸島で発掘された出土品が展示されています。
古代から中世のものまでが観られます。
↓病院だった建物の柱装飾。

暑いし、午前は頑張ってリンドスのアクロポリスまで登ってきたからお疲れモード。
まずはお目当ての展示品を目指して、階段を登って2階に行きます。
2階に展示室に、ありました!
↓水浴びをするアフロディーテ。
紀元前1世紀の作品です。
髪を持ち上げるしぐさが何とも美しく、じっと見とれます。

他にも作品は多々あったのですが、お疲れモード、マックス状態。
あとはざっと流しました。
建物の作りも複雑で、どこがどうなっているかよく把握できません。
ライオンの像。

↓あまりに鮮やかな色のブーゲンビリアが美しく、うっとり。

↓キメラ(怪物)を退治するペガサスに乗ったベレロフォンのモザイク画。

ロードス島はトルコに近いギリシャの島。
ヨーロッパからエルサレムに行くにも通る位置にありますが、トルコからエジプトなど北アフリカに行くにも通る位置にあります。
そのため、ヨーロッパとオスマントルコの間で、何度もこのロードス島の覇権を争う戦いが行われました。
このロードス島を制覇するか否かによって、この一帯の地中海の覇権を持つか否かが左右されたのです。
↓オスマントルコ時代の墓碑。
アラビア語で文字が刻まれています。

聖ヨハネ騎士団はヨーロッパの貴族の子弟たちを集めた軍隊で、団長はいろいろな国から選ばれましたが、多くのフランス人が勤めました。
1522年、オスマントルコ軍に敗れて、聖ヨハネ騎士団はロードス島を去るのですが、その後、拠点がないまま数年過ごし、教皇クレメンス7世と神聖ローマ帝国カール5世の計らいで、マルタ島を拠点にすることになります。
その時の聖ヨハネ騎士団の団長はフランス人のジャン・ド・ラ・ヴァレット。
実はこのラ・ヴァレット団長は、若かりし日にロードス島攻防戦に参戦しており、オスマントルコ帝国に敗れたときにロードス島を去った時の騎士団の生き残りの一人だったのです。
マルタ島の首都は、このラ・ヴァレット団長の名にちなみ、ヴァレッタと呼ばれています。
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